◆原作を改編 背景は環境保護
児童劇の代表作「馬蘭花」は50年の間、その時代の子供たちの成長に伴って上演されてきた。アニメ映画「馬蘭花」は、このよく知られた児童劇をもとに、新しく悪役を加えるなど内容に手が加えられた。
上海電影集団の汪天雲副総裁は、「原作は勤勉な者と怠け者との対立に重点を置いているが、この映画では環境保護や生きていくこと、調和がその背景にあり、世界共通の価値観を取り入れてテーマやキャラクターの意識を改めた」と話す。
◆宮崎アニメにも劣らない画面
浙江省杭州で4月下旬に開催された中国国際アニメ祭のシンポジウムでは、平面画像と三次元の背景の組み合わせは最新のアニメ制作の考え方で、国際映画祭で何度も受賞している宮崎駿のここ数年の作品もこの考え方の産物だという意見が、世界各国から集まったアニメ業界の人たちの一致した考えだった。
「馬蘭花」も平面画像をメインに三次元画像を添えるという方法で制作。上海美術電影制作所は、世界でも精巧な平面画像を制作できる数少ない制作所の1つだ。三次元の背景部分は、北京オリンピックの開会式で巻物の特殊技術を担当した水晶石三次元アニメ有限会社(CRYSTAL CG)が制作した。予告編を見ると画面はとてもきれいで、平面と三次元のつながりもうまくいっており、決して宮崎アニメにも劣らない。

◆各年齢層向けのアニメ
上海美術電影制作所は、「馬蘭花」は従来の子供向けの中国アニメとは違い各年齢層の観客が楽しめると考えているため、興行収入に対してはとても楽観的だ。(情報提供:チャイナネット)
そして、映画「レッドクリフ」のリン・チーリン(林志玲)が、アニメ映画「馬蘭花」のヒロイン役で声優に挑戦した。新浪網が伝えた。
甘ったるい「赤ちゃん声」で知られるチーリンだが、歴史大作「レッドクリフ」ではその声が批判を浴び、後編の「レッドクリフ PartII -未来への最終決戦-」では吹き替えが起用される屈辱も。しかし、このほどアニメ映画「馬蘭花」のヒロイン役に抜擢され、「やっと私の声で勝負できる!」と喜びを語っていた。

チーリンが演じるヒロインの「大蘭」は18歳という設定で、同作品の製作スタッフによると、まさに「赤ちゃん声」に目をつけてチーリンを起用したとのこと。録音がスタートした当初は、“鳥肌”モノの甘い声に、共演者やスタッフから思わず笑いがもれていたという。(翻訳・編集/Mathilda)

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