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メガソーラーとは?調べて見た。 2011.06.17

メガソーラ

1メガワット(1000キロワット)を超える大規模な太陽光発電施設のこと。日本では、2009年(平成21)までに263万キロワットの太陽光発電設備が導入されているが、住宅向け設備が容量の約8割を占め、個々の平均的な発電容量は3~4キロワット程度である。こうした家庭等での自家消費を主目的とする分散型設備に対し、近年になり電力会社等が建設を進めている大規模な商業用太陽光発電施設がメガソーラーとよばれている。

日本の電力10社は、2020年度までに、全国約30地点で約14万キロワットのメガソーラー発電所の建設を計画している。これらが完成すると、約4万軒の家庭が1年間に使用する電気に匹敵する約1億5千万キロワット時の発電が可能である(電気事業者連合の試算)。「堺(さかい)市臨海部におけるメガソーラー発電計画」(関西電力等)は一部の運転を開始しており、建設予定がすべて完了すれば発電出力は1万キロワットとなる。また「川崎市臨海部におけるメガソーラー発電の設置計画」(東京電力等)は国内最大の合計約2万キロワットの太陽光発電施設の建設を進めている。

海外では、さらに大規模なプロジェクトもみられる。2011年1月時点で世界最大規模の太陽光発電施設は、カナダのオンタリオ州に建設されたもので、発電容量は8万キロワットである。タイでは7万3000キロワットのプロジェクトが進行しており、日本企業も事業への出資や設備供給等を通じ参画している。

太陽光発電は、火力発電等と比べ発電コストが高く、また発電量が天候に左右され安定的な供給が難しいというデメリットがある。一般電気事業者が運営する電力供給網(電力系統)に接続する場合には系統安定化策も必要になるといった課題がある。メガソーラーは、これらに加え、膨大な土地面積が必要となる。電気事業者連合の建設計画(14万キロワット)を実現するためには、約400万平方メートルものスペースが必要と試算される。

実際の発電能力はどうなのか。
 経済学者の池田信夫氏は、こう語る。

「100万kWの原発1基分を発電するためには、面積でいうと山手線の内側すべてにパネルを設置しなければならない。風力にもいえることですが、再生可能エネルギーは広大な土地を必要とするのです。

 砂漠の多いアメリカのような国では開発可能でも、国土面積がその25分の1で、平地が3割しかない日本には向いていない。

 そのアメリカでさえ、ビル・ゲイツ氏(マイクロシフト社会長)の予測によれば、将来的に再生可能エネルギーでまかなえる電力は最大30%とされています」

 太陽光パネルの発電能力は1平方メートルあたり0.15~0.2kW。さらに日本の平均的な日照時間から実際の発電量はその約12%になる(実績値)。

 ここから計算すると、100万kWを発電するためには、パネルが約42~56平方km必要になる(山手線内は約58平方km)。

 東北電力が建設中の「八戸太陽光発電所」は、3haにパネルを敷き詰めた国内最大規模の「メガソーラー発電所」だが、その発電能力は年間160万kWhにすぎない。

 原発と比較してみると、こちらは停止中のものなども含めた実績で、年間2800億kWhほど発電しているので(53基)、メガソーラー1基は原発1基の平均発電量の、たった3000分の1である。

※週刊ポスト2011年5月20日号



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